現代の病は、環境・心・身体の複合的な原因によるものが多いといわれます。そこで、心身の不調を多角的に癒すことのできる温泉に注目が高まっています。温泉の中には硫黄・マイナスイオン等の身体によい成分が含まれていて、温泉に入ることによりこれらの成分が人間の皮膚を通して身体によい効果をもたらします。また、熱い温泉には新陳代謝を活発にする『温熱効果』、ぬるめの温泉には副交感神経を刺激して心の疲れをとる『リラックス効果』があり、心身ともに身体を癒してくれるのです。
 このような温泉の効果を病気の治療に生かす方法を「温泉療法」といい、実際に治療に生かしている医師(温泉療法医)、病院も多くみられます。
 
 渡辺病院グループの介護老人保健施設「サンバーデン」内には、「成光の湯」という天然温泉があります。平成3年7月16日、渡辺病院敷地内に天然温泉を湧出し、“世の光と成る”という願いから源泉名を「成光の湯」と名付けました。自然の中で身も心もゆったりとくつろぎながら体調を整える“癒しの空間”として皆様にご好評をいただいております。泉質はナトリウムー塩化物強酸塩泉(高張性中性温泉)です。
 体質によってまれに温泉の入浴・飲用が合わない方もいらっしゃいますので、温泉ご利用の前に下記のことについてご確認ください。
 
浴用・飲用時の適応症及び禁忌症
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・慢性消化器痛・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復期・健康増進・切り傷・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病
急性疾患(特に熱のある場合)・活動性の結核・悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・腎不全・出血性疾患・高度の貧血・妊娠中(特に初期と末期)
慢性消化器病・慢性便秘
腎臓病・高血圧症・甲状腺機能亢進症
また、温泉ご利用の際は下記にご注意ください。
浴用・飲用上の注意事項
温泉療養を始める場合は、最初の数日の入浴回数は1日当たり1回程度とすること。
温泉療養のための必要期間はおおむね2〜3週間が適当とすること。
温泉療養開始後おおむね3日ないし1週間前後に湯あたり(湯さわり又は浴湯反応)が現れることがある。
入浴時間は入浴温度により異なるが、初めは3分程度とする。
入浴中は一般には安静を守る。
入浴後は身体に付着した温泉の成分を水で洗い流さない。
入浴後は一定時間の安静を守る。
動脈硬化症、高血圧症、心臓病などの疾患のある人の高温浴(42℃以上)を禁忌とする。
熱い温泉は急に入るとめまいを起こすことがあるので注意する。
食事の直前・直後の入浴は避けることが望ましい。
飲酒しての入浴には注意する。
   温泉とは、特定の病気に対する薬というより、様々な薬効成分や定期的な入浴刺激による相乗効果によってヒトの自然治癒力を高めるという統合的な効果です。いわば温泉は「総合医」。ストレッサー(ストレスの原因となるもの)を多く抱える現代社会の中で体調を崩しがちな方も、ぜひ温泉にお入りいただき、トータルに身体を癒す温泉療法のよさを身体で感じてください。
 なお、その人それぞれの温泉と身体の関係・相性等もありますので、温泉入浴の際は温泉療法医等に相談されてからの利用をお勧めします。
   
  渡辺病院 医師 岩田容子
(温泉療法医・健康スポーツ医)

 
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